闇−441

NICHANOR2005-10-21

そもそも無敗の三冠というのは過去一頭しか達成していない。
絶対皇帝と呼ばれたシンボリルドルフだけである。
以来、数多くの馬がこの偉業に挑戦してきた。
しかし三冠の壁と呼ばれる悪魔にそれを阻まれてきたのだ。
かの有名な三冠馬ナリタブライアンでさえ成し得なかった。
無敵のサラブレッド、ミホノブルボンもあと一歩及ばなかったのだ。
最もその偉業に近いとされたアグネスタキオン
彼もまた、屈腱炎の前に夢をあきらめざるを得なくなった。
デビューから無敗を守るということは、至難の業だ。
クラシックへの馬体の調整もまた困難を極める。
近年のサラブレッドのレベルが高くなったことも要因だろう。
昨年のダービーの覇者、キングカメハメハ
彼もまた、クラシックへの調整が困難とされた。
ダービーレコード馬も1敗を喫しているのだ。
そしていわゆる馬の早熟型、大器晩成型も影響を及ぼす。
テンポイントはもともと強かった。
しかし、真の力が解放されたのも大器晩成的次期だったのだ。
さて、ディープインパクトはどうだろう。
早熟だと考えても、既に古馬に勝るとも劣らない力がある。
そして、出遅れたレースでも必ず先頭で駆け抜ける。
ダービーなど出遅れにも関わらずレコードタイのタイムとは。
この段階までで見れば、過去最強であろう。
しかし、不安はやはり距離適正。
3000mという長丁場は彼にとっても未知。
距離適正がなければ、最後の直線はもたないだろう。
馬場状態、他馬位置取りも不安要素に上がる。
特に今回、ディープは徹底的にマークされるだろう。
果たしてそれがどの程度影響するのか。
達成されれば21年ぶりとなる快挙。
万全の状態で挑んでこそ、成し得る神業であろう。
それでもなお、競馬は絶対ではないのだ。
日本中が注目する、半世紀に一度あるかないかの偉業。
ディープインパクトにはいやがおうにもその期待がかかる。
今回の4枠7番は過去、ミホノブルボンがその位置にいた。
彼は菊花賞ライスシャワーに夢を砕かれている。
その過去を清算するかのような見事な走りを見せてくれると信じている。
いよいよ明後日、天気が良いことを期待しよう。
その時我々はまさに「深い衝撃」を目にすることだろう。